専門執行役員制度について

2019.10.07 コラム
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はじめに

 

先日私のブログにまとめた『取締役の外部登用について考えたこと』に続いて、当社が採用している「専門執行役員」という社内制度について今回は書きたいと思います。

この制度ができてから1年半以上が経過したので、その辺りの狙いと効能について、私の目線から簡単にまとめてみました。

 

 

専門執行役員って何?

 

まず前提として、「専門執行役員」とは会社法上の公式な役員制度ではなく、当社の中での制度です。

当社には、既に、非専門の(=通常の)執行役員制度を採用していますが、そこに加えて、特定領域にスペシャリティを持ち、そのスペシャリティを中心に組織・技術を牽引をしてもらう「専門執行役員」という呼称を設けたのが18年1月でした。

通常の執行役員との役割の違いを簡潔に書くと、「特定の事業領域に責任をもつのが執行役員」「専門領域の組織や技術に関する意思決定に責任を持つのが専門執行役員」です。

その違いを表す象徴的なものの1つに、参加する会議体があります。

専門執行役員は、Speeeグループ全社の経営会議には参加を必須としていません。
テーマ的に参加してもらう必要がある場合は別ですが、それ以外の通常のアジェンダの場合、参加しても良いし、参加しなくても良いとしています。

 

 

専門執行役員って誰が何やってるの?

 

現在は、3名がその専門執行役員の職に就いてくれています。

  • Speeeグループの技術部門のマネジメント責任者(VPoE)である大場。
  • Speeeグループの最高セキュリティ責任者(CISO)の伊藤。
  • 子会社である(株)Datachainの共同創業者 兼 最高技術責任者(CTO)。そして、Speeeグループ全体の専門執行役員も兼務してくれている木村。

少し個別にご紹介します。

VPoE 大場 光一郎

ベンチャー企業で、技術者として、そして、技術部のマネジメントを歴任。
Ruby界隈では(ご夫婦で)名のしれた人物ですね。

前職では、(当時)150名規模の急成長ITベンチャーで、VPoEとしてエンジニアチームを牽引していた経験を活かし、当時当社の開発部を支えてくれていた技術顧問の井原氏からバトンを受けるような形で、ジョインしてもらいました。

CISO 伊藤秀行

当社は、創業来データを取り扱う事業をやっていますが、近年、社歴の増加と事業数の増加が相まって、取り扱うデータ量、そしてデータの種類が多岐に渡り、中には秘匿性の高いデータも取り扱うことが増えてきました。
そして、その傾向は当社の事業構想上、今後も増すばかりです。

そんな中、当社のセキュリティを最高水準に引き上げてくれる人材を探している中で、某日本有数の大手ITメガベンチャー(いやもう社名言えよ・・・)でセキュリティエンジニアを統括されていた伊藤と出会うことになり、CISOとして当社に加わってもらうこととなりました。

Datachain共同創業者 木村淳

弱冠25歳で、Momentum社を創業し、CTOとして事業を牽引。
2017年に同社を、KDDIグループのSyn.ホールディングスへ売却(EXIT)。

その後、社外から様々なアドバイス・具体的な開発物を手伝ってもらう流れの中で、より挑戦的なテーマを模索している彼とDatachainを構想している当社で、思惑が合致し、現在の役職に至っています。

他の2人に比べて、年齢は非常に若いのだが、実績や実力は申し分なく。
社内の関係者からも天才的だとの呼声も高い。

彼も他の2人同様、日本を代表する実力のエンジニアだと認識しています。

 

 

何が狙いだったの?

 

上記の通り、専門執行役員は3名ともエンジニア出身です。

当社が考える構想と、それを実現する為の各種事業のさらなる成長を見据えた際に、ボードメンバーに占めるエンジニア出身者の比率を上げることが必要だと定義し、約1年掛かりで3人に入ってもらうことになりました。

もちろん、3人の入社動機それぞれ別々ですが、加入してもらうタイミングは図らずともほぼ同時。

そんな3人に専門執行役員として入ってもらい1年以上が経過したわけですが、テクノロジーとデータに対する全社を挙げた強化が狙いでした。

そんな狙いの中で、今後も持続的に強化するこの領域において、意思決定の質と速度を高め続ける為には、国内でも有数な人材で、且つ、ともに成長しあえる人材を据えることを必須条件として考えていたのです。

  

 

当初の狙いと現実はどうだったのか?

 

このタイトルにしている時点で、「狙いが大外れでした!」
というオチである確率は極めて低いことが想定されるわけですが、まさにその通りです。

人材選定に妥協せず、3者とは、何度も対話を重ねながらジョインをしてもらいました。

よって、結論としては、当社全体の「テクノロジー」と「データ」に関するケイパビリティが向上する礎を築くことができました。

要所要所で、課題や難題はありますが、この1年、多くの意思決定を当社の既存の経営陣とともに経験していく中で、専門執行役員という新しい役割を、当社内で、確かなものへと昇華してくれたように感じています。

具体的に、且つ、分かりやすい形で、専門執行役員の加入によって生まれた社外に見せられるアウトプットって何があるのか??

という点については、
今後(年内)いくつかリリースを予定していますので楽しみにして頂けると幸いです。

  

 

最後に

 

「専門執行役員って良いですよ!」
というのが私の結論なわけですが、とにかく対象者を探す、そして、ジョインしてもらうまでがとっても大変です。

当然ながら、その人の専門性がその領域において当社でNo.1だからこそ専門執行役員として加わってもらうわけです。それはすなわち、裏を返せば、専門性への評価を真に正しくできないという事でもあるわけです。

それでも、ともに目的に向かって進んでいく上で何が重要なのか?

言葉にすると月並みですが、やはり帰結するのは、会社・事業のミッションとビジョンであり、そして、チームで実現していきたいという当社の思想や文化を下敷きにしてもらうということだったように思います。

役員の登用はどの会社でも経営者は多かれ少なかれ悩みやすい所だと思います。

そして、当然、経営者のみならず、ともに働くメンバーも役員の登用というのはドキドキやワクワクがあるものです。(ベンチャーの場合は)

今回は、経営者から見た当社の「専門執行役員」の登用という事例について簡単にまとめてみました。

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