読書ログ:2023年1月~6月

2023.10.05 読書ログ
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はじめに

読書ログシリーズは、私の半年間の書籍購入リストの中から、数冊ピックアップをしてご紹介するシリーズです。

今回は購入書籍数も、実際に、読み込んだ書籍もあまり多くなく、個人的には読書とは少し疎遠な期間だったように感じます。

そんな中ですが、今回も5冊だけピックアップしてみました。

  1. ファスト教養
  2. SF超入門
  3. 平成30年
  4. 集中力はいらない
  5. バッタをたおしにアフリカへ

では、以下、本題へ。

2023年 上半期書籍一覧

合計110冊

(スマートフォンだと一見分かりづらいのですが今回もスクロール表示になっています)

– 新インナーゲーム (インナーシリーズ) / W.T.ガルウェイ
– 人生逆転最強メソッド 書き込みワークで即体感。やるべき「目標」が見えてくる / 岡野 武志
– マッキンゼー CEOエクセレンス 一流経営者の要件 /
– [新装版]干支の活学 [新装版]人間学講話 / 安岡 正篤
– 糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた (祥伝社新書) / 堀江貴文, 予防医療普及協会
– 千夜千冊エディション 仏教の源流 (角川ソフィア文庫) / 松岡 正剛
– 稲盛和夫に、叱られた! 38人の学びと喜び / 出版文化社
– 地政学が最強の教養である “圧倒的教養”が身につく、たった1つの学問 / 田村 耕太郎
– 運をつかむ (幻冬舎新書) / 永守重信
– 医師だからこそ伝えられる幸せな生き方・貧しい生き方 / 新見正則
– 未来力 「10年後の世界」を読み解く51の思考法 (文春e-book) / 三木谷 浩史
– 運動しても痩せないのはなぜか:代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」 / ハーマン・ポンツァー, 小巻 靖子
– 超フレキシブル人生論 “当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる (扶桑社BOOKS) / 河村 真木子
– バキ道 13 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– 私、つい「他人の目」を気にしてしまいます。 “自意識過剰”から抜け出す8つのヒント / 和田秀樹
– できない脳ほど自信過剰 パテカトルの万脳薬 (朝日文庫) / 池谷 裕二
– 東京医科歯科大学を首席卒業した名医が教える 世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか――科学的に正しい歯のケア方法 / 森下 真紀
– おひとりさまホテル 1巻 (バンチコミックス) / まろ, マキヒロチ
– DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー / 中西聖
– 室内生活 スローで過剰な読書論 (日経ビジネス人文庫) / 楠木 建
– 競争闘争理論 サッカーは「競う」べきか「闘う」べきか? / 河内一馬
– 1位思考――後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣 / 猿渡 歩
– 代官山オトナTSUTAYA計画 / 増田 宗昭
– 1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく (角川書店単行本) / 高橋 晋平
– もしも、人生を今日からやり直すとしたら 孤独を恐れず自由に生きる法則 / 麻生 泰
– Dr.Eggs ドクターエッグス 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) / 三田紀房
– サッカーアナリストのすゝめ 「テクノロジー」と「分析」で支える新時代の専門職 / 杉崎健
– 運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法 / 鈴木 祐
– 自分で治す! 副腎疲労 / 本間 良子
– やる気がない!落ち着きがない!ミスが多い!子どもの「言っても直らない」は副腎疲労が原因だった / 本間 良子
– 最新の遺伝子検査でわかった アトピーが消えるたった1つの方法 / 本間 良子
– しつこい疲れは副腎疲労が原因だった ストレスに勝つホルモンのつくりかた (祥伝社黄金文庫) / 本間良子
– 自己表現からアカデミックプレゼンテーションへ: 双方向性のコミュニケーション;ソウホウコウセイノコミュニケーション / 鈴木有香
– バキ道 6 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– テックジャイアントと地政学 山本康正のテクノロジー教養講座 2023-2024 (日経プレミアシリーズ) / 山本康正
– 〈効果的な利他主義〉宣言! ――慈善活動への科学的アプローチ / ウィリアム・マッカスキル
– バキ道 15 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– バキ道 14 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– バキ道 1 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– バキ道 8 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– バキ道 9 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– バキ道 3 (少年チャンピオン・コミックス) / 板垣恵介
– 食の金メダルを目指して (日本経済新聞出版) / 三國清三
– 帝国ホテル 厨房物語 私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) / 村上信夫
– 世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー / 井崎 英典
– 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア / ルーク バージス, 川添 節子
– 日本EC市場の今と未来がわかる—コロナ禍分析とポストコロナの予測2023— (impress QuickBooks) /
– 公正取引委員会「解体」論 (中央公論 Digital Digest) / 冨山和彦, 大庫直樹
– 行正り香の家作り ヒュッゲなインテリア / 行正り香
– 社長の条件 (文春e-book) / 中西 宏明, 冨山 和彦
– 田坂広志 人類の未来を語る~未来を予見する「12の洞察」~ / 田坂 広志
– 給料の上げ方―日本人みんなで豊かになる / デービッド・アトキンソン
– 冒険の書 AI時代のアンラーニング / 孫 泰蔵, あけたらしろめ
– なめらかな社会とその敵 ――PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫 ス-28-1) /
– コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略 / フィリップ・コトラー, ヘルマワン・カルタジャヤ, イワン・セティアワン, 恩藏 直人, 藤井 清美
– 「価値」こそがすべて!―ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義 / フェリックス・オーバーフォルツァー・ジー, 原田 勉
– 新世界より(上) (講談社文庫) / 貴志 祐介
– 横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS) / 柞刈湯葉, 田中 達之
– SF作家の地球旅行記 / 柞刈 湯葉
– ウェルビーイング (日経文庫) / 前野隆司, 前野マドカ
– ドーキンスが語る飛翔全史 / リチャード・ドーキンス
– 君たちは絶滅危惧種なのか? Are You Endangered Species? (講談社タイガ) / 森 博嗣
– AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方 / 伊藤 穰一
– 40代からの認知症予防 (NEXTRAVELER BOOKS) / 高城 剛
– ワインと微生物学 / 奥村 嘉之
– 世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道 / 竹田 理絵
– 馬を語り、馬に学ぶ 名馬や個性的な馬から得た成功の秘訣・仕事術 (廣済堂◆競馬コレクション) / 矢作芳人
– 現代の肖像 森田真生 eAERA / 神田憲行, 小野啓
– 僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回 (集英社文芸単行本) / 森田真生
– 頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編 / 田村 耕太郎
– 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE S&Mシリーズ (講談社文庫) / 森博嗣
– 集中力はいらない (SB新書) / 森 博嗣
– 悲観する力 (幻冬舎新書) / 森博嗣
– 自由をつくる 自在に生きる (集英社新書) / 森博嗣
– なにものにもこだわらない / 森 博嗣
– NEXTRAVELER FILMS&TOOLS 未来につながる創造的ツールと使い方 (NEXTRAVELER BOOKS) / 高城 剛
– 生成AI 社会を激変させるAIの創造力 / 白辺 陽
– AI 2041 人工知能が変える20年後の未来 (文春e-book) / カイフー・リー(李開復), チェン・チウファン(陳楸帆), 中原 尚哉
– 暇と退屈の倫理学(新潮文庫) / 國分功一郎
– 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書) / 國分功一郎
– WIRED(ワイアード)VOL.48 / Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン), WIRED編集部
– 5分間SF (ハヤカワ文庫JA) / 草上 仁
– デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして (日経プレミアシリーズ) / 鳥海不二夫, 山本龍彦
– 予言された世界 / 落合信彦, 落合陽一
– 池上彰の 君と考える戦争のない未来 (世界をカエル10代からの羅針盤) / 池上 彰
– 生きづらさについて考える【毎日文庫】 / 内田 樹
– コロナ後の世界 (文春e-book) / 内田 樹
– 武道的思考 (筑摩選書) / 内田樹
– 複雑化の教育論  (シリーズ・越境する教育) / 内田樹
– 丁寧道 ストレスから自由になれる最高メソッド / 武田双雲
– ポジティブの教科書 / 武田 双雲
– ベンゲル・ノート / 中西哲生, 戸塚啓
– 当事者研究 等身大の〈わたし〉の発見と回復 / 熊谷 晋一郎
– 才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法 / マシュー・サイド, 山形浩生, 守岡桜
– 多様性の科学 / マシュー・サイド
– LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義 / 吉森 保
– 気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年 (日本経済新聞出版) / 田家康
– 「普通がいい」という病 (講談社現代新書) / 泉谷閑示
– 成人発達理論から考える成長疲労社会への処方箋 / 加藤洋平
– 大インフレ時代! 日本株が強い / エミン・ユルマズ
– 存在することのシンプルな感覚 / ケン ウィルバー
– NHK「100分de名著」ブックス 道元 正法眼蔵 わからないことがわかるということが悟り / ひろ さちや
– アナロジア AIの次に来るもの / ジョージ ダイソン, 服部 桂, 橋本 大也
– 科学以前の心 (河出文庫) / 中谷宇吉郎, 福岡伸一
– 現代活学講話選集4 人生の五計 困難な時代を生き抜く「しるべ」 (PHP文庫) / 安岡 正篤
– 熔(と)ける日本の会社 / 井川意高, 渡邉哲也
– 正義なき世界を動かす シン地政学 / 猫組長(菅原潮)
– レヴィ=ストロース 構造 (講談社学術文庫) / 渡辺 公三
– はじめての構造主義 (講談社現代新書) / 橋爪 大三郎
– ビリギャルが、またビリになった日 勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで / 小林さやか

選書と軽く感想

1冊目:ファスト教養

  • 著者:レジ―
  • 出版社:集英社(2022/9/16)

とにかく、このタイトルが妙。

現代の教養ブームを『ファスト映画』のような位置づけにすることで、本書の趣旨を自然と浮き上がらせるネーミングの破壊力がすごい。

読み物として楽しく読んだ。

私自身が、著者と同世代ということもあってか、著者が20歳前後に感じていた“社会”“大人達”“ヒーロー像”のような時代の空気を作っていたものが頭に刷り込まれている世代なのかもしれない。

とにかく、読み進めやすさを感じた。

(誰の書でもそうだが)何かしらの学術的な調査のレポートではなく、著者の主観的な考察を書にしている類なので、当然、すべてに同意というわけではない。というか、ちょっとタイトルが持つ意味合いにすべてをアラインするために強引に展開しているような場面もあるのだが、それはまぁこういう書籍では織り込み済みとして読むべきだろう。

『ファスト教養』。

このタイトルにピンときたらジャケ買いしてしまっても良い書籍だと思うので、ピンときた方はぜひ。

 
 

2冊目:SF超入門

  • 著者:冬木 糸一
  • 出版社:ダイヤモンド社(2023/3/1)

いやぁ、すごいなぁ〜。

著者は大した方だなぁ〜というのが率直な感想である。

個人的には、小説を意図的に避けて生きてきたが、ここ2−3年でSF小説(アニメ化されているもの含め)だけは手を出すようにしてきていた。手を出していた理由は著者が本著で述べている『SFに触れておくことの価値』と、ほぼ同じ見解であり、その必要性を感じていたことと、単純に大人になってからの方が楽しめるようになったからである。

どちらにせよ、まったくSF小説に詳しくないという自分の立ち位置もあいまって著者のSFの知見や筆力に圧巻であった。

昨今の生成AIブームも相まって、SFのような社会がすぐに、いや、すでに訪れている感覚を多くの人が深いところで感じはじめている今のこのタイミングにピシっと合わせてこれだけの内容の書籍を出版できるのがすごい。

シンプルで明瞭なSF本の選書と分類。

そしてそのマッピングと各書の解説。まさに贅沢な入門書という感じだ。

私個人としては、テック業界で20年近くいるわけだが、様々なテクノロジーの勃興とその後を20年という限られた期間ではあるものの目の当たりにしてきた。

新種のテクノロジーが勃興し、その後、必ず迎える『幻滅期』。

幻滅期を迎えている最中のテクノロジーとどう関わっていくか。どのポジションから何を狙って待っているのか。ここの選択が経営者・ビジネスマン・エンジニアとしての人生を分けるといっても過言ではないと思っている。

各種SFコンテンツとの距離感もそんな視点で見直してみようかなぁ〜などと思った。

次は著者の分類で言う所の『災害系SF』というのも1−2冊読んでみたいところだ。

ということで、こちらもSF入門したい方にはとにかくお勧めです。

 
 

3冊目:平成30年

  • 著者:堺屋 太一
  • 出版社:朝日新聞社(2004/1/30)

今回は、SF関連からもう1冊ということでこの本を選んでみた。

本書は1997年から1998年にかけて新聞に連載されたものを大幅に加筆・修正されて2002年に出版されたそうだ。

出版された当時、私は高校生だった。

正確には覚えていないのだが、おそらく、父親が先に読んでいて、読み終わったあとにトイレの本棚に置いてあったのだと思う。
(私の実家はトイレにたくさん本が置いてあって、だいたい父親が最近何を読んでいるのかがトイレの中で分かる仕様になっていた。)

連日、学校帰りに立ち寄っていた書店で平置きされていたのを目にしていたのもあってか「あ、あの本だ」と思い、手にとったのが最初の出会いだったと記憶している。

当時はこの本をSFというカテゴリでは理解していなかったのだが、
ここ数年、SFに少しずつ触り始めていた中で、ふと『平成30年』を思い出した。

よくよく考えると経済企画庁長官まで務めた著者が書く近未来小説。
しかも、生前その小説の結果が突きつけられるということが分かっている時間軸で物語を書くのは中々勇気がいることであり、おそらく、著者の中に、書かなければいけない。警告しておかなければいけない。という忸怩たる思いがあったのだろう。
今風に言えば、あえて後輩達を“煽った”のではないかと推測する。
(著者は2019年に亡くなられている)

さーっと読み直した。

「あぁ〜懐かしい。こんなこと書いてあったなぁ〜」
「おぉ〜改めて読むとこの解像度で描写してるのは凄いなぁ〜」
「あぁ、ここはだいぶピントずれたなぁ」

人口予想に基づく未来予測から見えてくる、日本の少子超高齢化。
その少子超高齢化が日本を直撃している中、なかなか手が打てない政府。
そして、政治家と官僚の間で交わされる会話や空気のリアリティ。

著者の官僚としての実務経験の長さと小説家としての筆の走りがあいまった、“リアリティ重視の”SF小説の傑作なのではないだろうか。

令和5年。平成で数えれば36年になる。
政治の実務家が書いた渾身のSF小説「平成30年」を平成36年の今、見返してみることによる面白さは、ぜひシェアしておきたいと思った。

 
 

4冊目:集中力はいらない

  • 著者:森 博嗣
  • 出版社:SBクリエイティブ(2018/3/6)

かのビル・ゲイツもウォーレン・バフェットも『集中力』こそ自身の最大の成功要因であり最大の強み。と言い切っていた。

ところが著者は、その集中力を否定するタイトルを本書につけている。

ついつい目を奪われる巧みなネーミングセンスだ。

本書を読んだ際に頭に残ったことを箇条書きにしてみると以下のようなことになった。

  • 集中・分散・発散・具体・抽象。
  • 個性とは『分散』『発散』への移動(ジャンプ)に現れる傾向がある。
  • 『固有名詞の記憶』の功罪。
  • 言語化することで安心してしまい、言葉にもできない状態を抱え込み続けることにも価値を感じているので、メモは取らないようにしている
  • 著者はビジネスパーソンではないので、アプローチの違いはあるが、『問い』の創作はビジネスの世界でも同様に重要。
  • むしろ解き方以上に問いの設定力が重要。
  • 作家や研究者という属性を一括りにすることは適切ではないが、やはりビジネスパーソンとの相対的な特徴として『一般論に対する知的な皮肉さが強い』というものがある。
  • 著者は極めて皮肉的だ。(決して、悪い意味ではない。)
  • この手の書籍は、作者の思考発散(≒無駄話)、または、作者の何かしらの仮説検証につきあわされているという気がしてならない。
  • とはいえ、つきあわされた結果、最終的には『逆説を好むような読み手の嗜好性をよく理解しており、ニーズに答えて少し強めに皮肉を言っているなぁ』という感覚が浮かびあがってくる。
  • 結局、そういうのが好きなんでしょ?と言われているような感覚に陥る。
  • 読者としては、字面通り真に受けるものではなく、読後、手元に残るいくつかの示唆や気付き(主に物事の切り取り方や、処し方)が心地良い。
  • 著者に限らず、言説鋭い著者の本ほど、一滴の学びを析出するように読むのが良いように思う。
  • 年齢が若いうちは、『一般論の逆説を強く説く』タイプの書籍は、構造から捉えておくと、胃に優しく咀嚼できるのではないだろうか。

ということで、この箇条書きだけ読んでも何がなんやらという感じだろう。

おそらく、忙しいビジネスパーソンが忙しさの中で必死に読むような書籍ではおそらく無いだろう。

著者もそれを望んでいるようには思えない。

時間と体力に余裕がある時、凝り固まった思考に『逆説的な皮肉』という刺激を入れたい人は、お口直しならぬむ、頭直しの1冊としてどうぞ。

著者はそのように言っているように私は思った。

 
 

5冊目:バッタを倒しにアフリカへ

  • 著者:前野ウルド浩太郎
  • 出版社:光文社(2017/5/17)

これはとあるイノベーターの書籍だ。

2017年出版の本書。
著者は、すでに知る人ぞ知る方であり、本書も有名な書籍なのだということを、私は本(Kindle)を手に取るまで知らなかった。
まず、『そのミドルネーム、、、どうしたのよ?』っという感じから入ったのだが、実はこのミドルネームにも胸熱なストーリーが隠されている。

個人的には『とにかく痛快で、スピーディーで面白い』みたいなものを最近あまり読んでいなかったなぁ〜というのが読了後の余韻であった。

私がこの書籍を手に取ったきっかけは、あるメディアの記事で著者が紹介されているのを見たからだった。

そこでの内容をかいつまむと、

===
『今現在のプロセスを楽しむのか』『未だ来ていない、未来を楽しむのか』。これは二項対立ではなく、混ざりあいながら発展するものである。例えば、バッタ博士で有名な前野 ウルド 浩太郎博士は、幼い頃にファーブル昆虫記を読んだことがきっかけでそのままバッタ博士になり、今もバッタを追い続けている。最初は自分の夢のためだけに邁進していたものが、バッタに詳しくなるにつれ、世界からバッタ被害を撲滅するための使命感へと転換されている。というような紹介をされていたのだ。(すみません。引用元がぱっと分からず。)
===

という話だった。

『あれ、最近これに近い質問、確か新卒1年目社員との座談会でされたなぁ。今派か未来派みたいなものが二項対立ではない感じって、二項対立で頭が凝り固まっている時期にはいくら話しても伝わらないんだよなぁ〜何か彼(質問してくれた社員)にもっとうまく伝えてあげられるようなヒントがこの本にあるかもなぁ』と、いうのが、私がこの書籍を手に取った動機だった。

書籍の読み方は千差万別、読者次第だし、時期次第。とにかく好きにすれば良い。
というのが私の中の大原則である。

一方で、あえてオススメをするならば、【まえがき】をまず読み、真ん中を思い切って大きく飛ばして【 飛蝗、襲来】から最後まで読んでみても良いかもしれない。そこから、真ん中部分に興味があったら、ぜひ中身を味わいに行って欲しい。
とにかく【まえがき】だけで充分おもしろい。

誰にオススメの書籍かと問われれば、

分かりにくく書くと、
『重厚感のフランス映画ばかり見ていた時期に、ふと、大ヒットインド映画を見た時のようなシンプルな高揚感を味わいたい方。』

分かりやすく書くと、
『ただ単に子供の頃からの好きが高じて、課題解決に邁進する日本人イノベーターは何もビジネスの世界だけではないということを味わいたい方。ひいてはディープテック領域などにも妄想を広げるきっかけにしても良いかもしれない。』

という感じだろうか。

(どちらも結構分かりにくいかも、、、というツッコミはすでに自分の中で完了しております)

参照
●『バッタ研究』の意義について。

 
 

最後に

ということでこの半年も5冊選んでみました。

マニアックすぎてこのブログの趣旨には似つかわしくないが、私としてもとても面白かった書籍、または一節、などは他にもあり、いつか機会があればマニアックな方向けにもいつかご紹介をしたいです。

どちらにせよ、要所要所で、本との出会いに助けられて人生を歩んできた私ですが、今年になって本社オフィスを六本木グランドタワーに移すことになり、新しいコンセプトとして『本と企業』を私なりに体現したオブジェを社内に作ってみました。

人と事業とIssueの数だけ、組織には、“好奇心”や“悩み”があり、

そしてその“好奇心”や“悩み”と対峙するお供に読書がある。

故に、会社で購入してきた書籍の集積こそ、会社が向き合ってきた“試行錯誤”が発露したものではないだろうか。

そんな考えをベースに、会社で購入してきた書籍が木の年輪のように積み上がっていき、好奇心や悩みと対峙した軌跡こそが、会社の軌跡を表すように作り上げたのが今回のオブジェです。

興味がある方は、ぜひ、一度、オフィスに遊びに来てください。
もし、タイミングがあえば私が直接ご案内いたします!!

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