読書ログ:2021年1月~6月

2021.09.06 読書ログ
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はじめに

読書ログシリーズは、私の半年間の書籍購入リストの中から、数冊ピックアップをしてご紹介するシリーズです。

今回は、2021年の前半部分をリスト化し、ほんの一部ではありますが、このブログを執筆をしているタイミングで『そういえば、おもしろかったなぁ』とアタマに思い浮かんだ書籍を皆さんに共有したいと思います。

2021年の前半は、私が仕事で抱えているプロジェクトのリサーチや考察業務が多く、プレイヤーの1人として“作業”をしていた時間が多い期間でした。

したがって、日常はそっちに脳みそと時間を割いていたので、あまり趣味としての読書を身体が欲している感覚が弱かったなぁという自覚なのですが、いざリストにしてみると購入だけはあいかわらず180冊ほどしておりました。

少なくともどの書籍も1ページ以上は目だけは通しているので、書籍リストを眺めると書籍の中身について色々と思い出してくるこの感覚が、半年間という時間の経過と、私自身の興味の対象が次々に派生していっていることを浮き彫りにしてくれるようです。

自分にとっては半年に1度、書籍から紐解く内省ツールとして一役買ってくれていることを感じます。

さて、本題に移ります。

今回は、選書を6冊してみました。

キーワードは

#人新世
#投資
#孤独
#狂気性
#フットボール
#くりーむしちゅー上田さん

という感じでしょうか。
 
 

2021年上半期書籍一覧

合計161冊

(スマートフォンだと一見分かりづらいのですが今回もスクロール表示になっています)

– リサーチ・ドリブン・イノベーション 「問い」を起点にアイデアを探究する / 安斎 勇樹
– なぜ、DXは失敗するのか?―「破壊的な変革」を成功に導く5段階モデル / トニー サルダナ, 小林 啓倫, EYストラテジー・アンド・コンサルティング
– なんでも「はじめて」大全―人類と発明の物語 / スチュワート・ロス, 西田 美緒子
– ブロックチェーンがひらく「あたらしい経済」 (幻冬舎単行本) / 正田英樹, 田中貴規, 村上照明, 中城元臣, 安土茂亨, 株式会社chaintope
– 自分の中に毒を持て<新装版> / 岡本 太郎
– お金も仲間も引き寄せる 神コミュニティの創り方 / 山口雄輝
– ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫) / アインシュタイン,アルバート
– 人もお金も動き出す! 都合のいい読書術 [新書版]バカになるほど、本を読め! / 神田 昌典
– シリコンバレー発 スキルの掛け算で年収が増える 複業の思考法 / 酒井 潤
– 特殊清掃 (ディスカヴァー携書) / 特掃隊長
– 半グレ―反社会勢力の実像―(新潮新書) / NHKスペシャル取材班
– 文章のみがき方 (岩波新書) / 辰濃 和男
– 【Amazon.co.jp 限定】「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。(特典:「誰でも1時間で「記 / 藤吉 豊
– 理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ! / 西浦博, 川端裕人
– 2025年を制覇する破壊的企業 (SB新書) / 山本康正
– 図解・いきなり絵がうまくなる本 (メディアファクトリー新書) / 中山 繁信
– 勉強の価値 (幻冬舎新書) / 森博嗣
– 相続は遺言書で9割決まる!――日本一わかりやすい、家族が揉めないための終活の本 / 福田 亮
– 日本一楽しい! 遺言書教室 / 佐山 和弘
– 社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 / ジョナサン・ハイト, 高橋洋
– 商品売るならShopify / 角間実
– 経験 この10年くらいのこと / 上田晋也
– 会社四季報 2021年1集新春号 [雑誌] /
– グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界 / クラウス・シュワブ, ティエリ・マルレ, 藤田正美, チャールズ清水, 安納令奈
– 成熟日本への進路 ――「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書) / 波頭亮
– 好奇心が未来をつくる ソニーCSL研究員が妄想する人類のこれから / ソニーコンピュータサイエンス研究所
– 新型コロナウイルスと闘うために数学にできること / 西浦 博, 小林 鉄郎, 稲葉 寿, 國谷 紀良, 安齋 麻美, 岩波 翔也, キム クァンス, 藤田 泰久, 江島 啓介, 岩見 真吾, ナタリー リントン, 数学セミナー編集部
– CBDのすべて / アイリーン・コニェツニー, ローレン・ウィルソン, 三木直子
– すごい人の真似だけで年収5倍になった / 石田一眞
– マッキンゼー ホッケースティック戦略―成長戦略の策定と実行 / クリス・ブラッドリー, マーティン・ハート, スヴェン・シュミット, 野崎 大輔, アンドレ・アンドニアン
– 人新世の「資本論」 (集英社新書) / 斎藤幸平
– デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本) / 河野啓
– 民主主義とは何か (講談社現代新書) / 宇野 重規
– 小飼弾の超訳「お金」理論 / 小飼 弾
– 人生のダイヤモンドは足元に埋まっている 強欲資本主義時代の処方箋 / ジョン・C・ボーグル, 山崎恵理子
– Creative Calling クリエイティブ・コーリング 創造力を呼び出す習慣 / チェイス・ジャービス, 多賀谷 正子
– 結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル (ディスカヴァー携書) / 荒川和久
– 少しかしこくなれる数式の話 (サクラBooks) /
– 観念的生活 / 中島義道
– 不幸論 (PHP文庫) / 中島 義道
– 振り切る勇気 メガネを変えるJINSの挑戦 / 田中 仁
– 問題児 三木谷浩史の育ち方 / 山川 健一
– ジョン・スチュアート・ミル 名言集 / ジョン・スチュアート・ミル
– 言葉との邂逅 / 田坂広志
– 東大生となった君へ~真のエリートへの道~ (光文社新書) / 田坂 広志
– No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい金利の本 / 上野泰也
– No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本 / 上野泰也
– ASEAN M&A時代の幕開け 中堅・中小企業の成長戦略を描く (日本経済新聞出版) / 日本M&Aセンター 海外事業部
– ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒 / 友田晶子
– 世界のエリート投資家は何を見て動くのか / アンソニー・ロビンズ, 鈴木 雅子, 山崎 元
– 世界のエリート投資家は何を考えているのか―――「黄金のポートフォリオ」のつくり方 / アンソニー・ロビンズ, 鈴木 雅子, 山崎 元
– 人新世とは何か――〈地球と人類の時代〉の思想史 / クリストフ・ボヌイユ, ジャン=バティスト・フレソズ, 野坂 しおり
– 1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則 / 桑原 晃弥
– 図解 論語─正直者がバカをみない生き方 / 齋藤孝
– Shapers 新産業をつくる思考法 / 伊藤豊
– ペップの狂気 妥協なき理想主義が生むフットボールの究極形 / D.シュルツェ=マルメリンク
– 孤独の価値 / 森博嗣
– 不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる / 鈴木祐
– 岡田メソッド――自立する選手、自律する組織をつくる16歳までのサッカー指導体系 / 岡田武史
– 99.9%は幸せの素人 / 星 渉, 前野 隆司
– ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣 (幻冬舎単行本) / 髙橋栄
– 中くらいの幸せはお金で買える (単行本) / 藤原 和博
– 服用危険 飲むと寿命が縮む薬・サプリ―――疲れ、息切れ、めまい、不眠、物忘れ / 鈴木祐
– 私はこうして世界を理解できるようになった / ハンス・ロスリング, ファニー・ヘルエスタム, 枇谷 玲子
– 腸が寿命を決める (集英社新書) / 澤田幸男, 神矢丈児
– 「腸の力」であなたは変わる―――一生病気にならない、脳と体が強くなる食事法 (三笠書房 電子書籍) / デイビッド・パールマター, クリスティン・ロバーグ, 白澤 卓二
– 日本の論点2021~22 / 大前 研一
– 運気を磨く~心を浄化する三つの技法~ (光文社新書) / 田坂 広志
– 覚悟の磨き方 狂の章 超訳 吉田松陰 / 池田貴将
– 覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる / 松井 忠三
– 生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る / 高井 研
– 自粛バカ リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋 (宝島社新書) / 池田清彦
– 宇宙の終わり (ニュートン別冊) / 科学雑誌Newton
– Newton別冊『無とは何か』 / 科学雑誌Newton
– Newton別冊『ゼロからわかる宇宙論』 / 科学雑誌Newton
– 大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス) / 大栗博司
– 真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話 (幻冬舎新書) / 佐々木閑, 大栗博司
– 探究する精神 職業としての基礎科学 (幻冬舎新書) / 大栗博司
– 素粒子論のランドスケープ / 大栗 博司
– Newtonライト『佐藤勝彦博士が語る 宇宙論のきほん』 / 科学雑誌Newton
– インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル / ケン・ウィルバー, 加藤洋平, 門林奨
– 女の子が自力で生きていくために必要なこと / ジョン・キム
– 45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ / 藤原 和博
– 文系のための理系読書術 (集英社文庫) / 齋藤孝
– Newton別冊『数学の世界 現代編』 / 科学雑誌Newton
– Newton別冊『数学の世界 図形編 増補第2版』 / 科学雑誌Newton
– HUNTER×HUNTER モノクロ版 36 (ジャンプコミックスDIGITAL) / 冨樫義博
– Dr.STONE 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 11 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– Dr.STONE 19 (ジャンプコミックスDIGITAL)[Kindle 版] / 稲垣理一郎, Boichi
– 宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎 / 村山斉
– 強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く / 大栗博司
– Newton別冊『時間とは何か 改訂第2版』 /
– 出家的人生のすすめ (集英社新書) / 佐々木閑
– 世界一美しい食べ方のマナー / 小倉 朋子
– マンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください /
– 数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学 (幻冬舎単行本) / 大栗博司
– 宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ / 大貫 美鈴
– 宇宙人の探し方 地球外知的生命探査の科学とロマン / 鳴沢真也
– Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ! / バーツラフ・シュミル, 栗木 さつき, 熊谷 千寿
– 「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義 (KS科学一般書) / 橋本幸士
– 量子力学の奥深くに隠されたもの コペンハーゲン解釈から多世界理論へ / ショーン・キャロル, 塩原通緒
– 図解入門業界研究 最新宇宙ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本 / 齊田 興哉
– 量子力学で生命の謎を解く / ジム・アル=カリーリ, ジョンジョー・マクファデン, 水谷 淳
– 100兆円の巨大市場、激変 プロップテックの衝撃 / 桜井 駿
– なぜ、おばちゃん社長は価値ゼロの会社を100億円で売却できたのか 父が廃業した会社を引き継ぎ、受注ゼロか / 平美都江
– 産まれてすぐピエロと呼ばれた息子 / ピエロの母
– パチンコ「30兆円の闇」 (小学館文庫)溝口敦
– 図解入門 最新 RPAがよ~くわかる本 / 西村泰洋
– 数学で考える! 世界をつくる方程式50 / リッチ・コクラン
– 計算する生命 / 森田 真生
– 数学する身体 / 森田 真生
– 時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体 (ブルーバックス) / 松浦壮
– どうして時間は「流れる」のか (PHP新書) / 二間瀬敏文
– ミッケ!―いつまでもあそべるかくれんぼ絵本 I SPY 1 / ジーン・マルゾーロ
– ポケット版 I SPY 7 ミッケ! たからじま / ウィック,ウォルター
– データ立国論 (PHP新書) / 宮田 裕章
– 黒田寛一読書ノート〈第1巻〉1948年3月‐9月 / 黒田 寛一
– 実力も運のうち 能力主義は正義か? / マイケル・サンデル
– 読書の技法 / 佐藤 優
– ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(上) / ニコラス・クリスタキス
– 職業としてのヤクザ(小学館新書)溝口敦, 鈴木智彦
– ズラシ戦略 今の強みを別のマーケットに生かす新しいビジネスの新しいつくりかた / 並木裕太
– ムサシと武蔵 / 鈴木武蔵
– 日経ムック BCG カーボンニュートラル経営戦略 (日本経済新聞出版) / ボストン コンサルティング グループ
– 異性の心を上手に透視する方法 / アミール・レバイン, レイチェル・ヘラ―, 塚越 悦子
– 学校に入り込むニセ科学 (平凡社新書0925)左巻 健男
– 孤独になると結果が出せる / 茂木健一郎
– 考えることこそ教養である / 竹中平蔵
– 「自粛」と「緊縮」で日本は自滅する / 藤井聡
– 都構想の真実 「大阪市廃止」が導く日本の没落藤井 聡
– 誰も教えてくれない 不動産売買の教科書姫野 秀喜
– 不動産売買仲介をゼロから始めてたったひとりで年間1億円を売り上げた!最短で売却物件が集まる仕組みの作り方 任意売却編⻄上 正通
– 新人不動産営業が最初に読む本 3訂版 (より実戦的に! 営業現場ですぐ役立ちます。)本鳥 有良
– ゾンビとの論争 経済学、政治、よりよい未来のための戦いポール クルーグマン, 山形 浩生
– 世界一子どもを育てやすい国にしよう出口 治明, 駒崎 弘樹
– Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来サティア・ナデラ
– 人間の建設 (新潮文庫)秀雄, 小林
– 組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2宇田川 元一
– 稼ぎ続ける力 ~「定年消滅」時代の新しい仕事論~(小学館新書)大前研一
– 学研まんが NEW世界の歴史2 ギリシア・ローマと地中海世界柑田風太, 南房秀久, 近藤二郎
– スピリチュアルズ 「わたし」の謎 (幻冬舎単行本)橘玲
– キングダム 62 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)原泰久
– キングダム 61 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)原泰久
– 破壊者 ハカイモノ (幻冬舎単行本)松浦勝人

 
 
選書と軽く感想

1冊目:世界のエリート投資家は何を見て動くのか: 自分のお金を確実に守り、増やすために (単行本)

  • 著者 :アンソニー・ロビンズ
  • 出版社:三笠書房 (2017/10/18)

著者は自己啓発の世界では高名な方なのですかね。
昔から名前はよく見聞きしていたように思いますが、著者の作品でこれが好き、とかそういった特別な体験は今までありませんでした。また、著者の本業はコーチングということで、今回の書籍とは一見離れているように思えるのですが、その意外性が、この書籍の最もおもしろいところでしょう。

『金融業界に造詣の深いインタビュアー』では実現できなかったのではないかと思うほど、出会える投資家達が軒並みビックネームであること。
そして、著者だからこそ聞くことができる『ノイズの無い直球の質問』が非常に読み応えがあります。

そして、巻末で、楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元さんが本書の希少性について解説をしてくれていることでこの書籍が日本人でも非常に学びやすい一冊へと昇華されています。

ウォーレン・バフェットならば日本人でも多くの方々がその名前を知っているかもしれませんが、
特に個人的に興味深かったのが、

  • レイ・ダリオの具体的な投資ポートフォリオの配分
  • 生前のジャック・ボーグル(インデックスファンドの生みの親)へのインタビュー
  • チャーチル・シュワブ(コミッション0のオンライン証券の生みの親)へのインタビュー

この3名に関しては、この書籍から入り、彼らが著者となっている書籍に派生していくのも面白いように思います。私としても、全く知らない情報も多々ありつつ、過去つまみ食いをしていたものを改めて整理する良いきっかけになりました。
 
 
 
2冊目:人新世の「資本論」 (集英社新書)

  • 著者 :斎藤幸平
  • 出版社:集英社 (2020/9/22)

2020-2021年のベストセラーの1冊ですので、既に詳しい方も多いかもしれません。

私はこの書籍で知るまでは著者のことを存じ上げなかったのですが、著者の大阪市立大学大学院准教授の斎藤氏は、まだとても若い学者さんであることにも驚かされるわけですが、人新世 における、企業のSDGsに対する態度を厳しく論じている点に引き込まれていきました。

一言で言うと、
地球と資本主義との関係構築の見直し。

について論じられている書籍だと解釈しました。

そのテーマ自体はそこまで目新しいものではなく、ポスト資本主義的な議論は以前より散々されているわけですが、地球環境と資本主義の関係性について、舌鋒鋭く、昨今のSDGsとも絡めた展開であったことが、これだけの話題へと発展をしてった要因なのでしょうか。

と同時に、このテーマは、考えれば考えるほど深い問題であり、真に持続可能な社会・地球である為の、本当に正しい役割分担とは何なのか?地球を主語として考えると、すでに予断を許さない時期にきているということも理解しつつ、“雰囲気”だけに左右されるのではなく、持続可能な社会を作る為にも、「持続可能な役割分担」「持続可能な取り組みを」を丁寧に考えていければと思っています。

とにかく、ベストセラー書籍ということもあり、本要約チャンネルや書評まとめでもたくさん出ていると思うので、そこで軽くタッチしてから、書籍を手に取るような流れでも良いかと思います。

また本書の内容に直接的に関わっているわけではないのですが、
「人新世」や「SDGs」の根本的な“起点”について、文章ではなく映像から入って理解したい人にとって、個人的にオススメなのが、
Netflixの『地球の限界: “私たちの地球”の科学』です。

氷山が溶けて水位が大きく変わる現場を目撃する、自然発火で森が大炎上をしてしまう、という象徴的出来事を、日本(特に東京)にいると我々にとっては、中々肌感覚が湧きづらいというジレンマを抱えているわけですが、タイトルの通り、地球という生命体が病に侵されていること。そして我々人類がその病を広げ続けていること。今からできる処方箋について、わかりやすいビジュアルで、刺激的にまとめてくれています。その編集には賛否あるのかもしれませんが、アクセスしやすい&ビジュアライズが綺麗で理解しやすい入門編としてはオススメなのではないかと思いました

著書とNetflixのドキュメンタリーの2つのコンテンツから、人新世における地球と人類の共存環境の危機の輪郭を掴み、これを入り口にし情報を継ぎ足していくのも良いかもしれません。
 
 
 
3冊目:経験 この10年くらいのこと

  • 著者 :上田 晋也
  • 出版社:ポプラ社 (2021/2/8)

なぜこの書籍を手に取ることになったのか・・・。

それだけがどうも思い出せないのですが、おそらく、身体が読みやすそうなものを求めていて、Amazonのレコメンドに出てきたものをまんまとポチッとしたのではないかと思います。

たまに、異様に甘いもの食べたくなるとか、異様に濃いもの食べたくなるとか、そういう感覚なのでしょうか。

言わずとしれた、くりーむしちゅーの上田さんの書籍なのですが、
上田さんは当然、お話も上手いわけですが、文章も上手いことに驚きます。

特に、回想シーンに入るシーン展開と、回想から戻す時のシーン展開の行き来は文章にするのが意外と難しいところですが、とってもスムーズで読みやすい。
その中でも回想シーンでの読み手に想起させる会話シーンなんかも『上手いなぁ〜』と。

この手の芸能人(タレント)書籍系で、文章が上手い方のものは、たまに読むとかなりおもしろいのですよね。

爆笑問題の太田さんなんかもそうですが『こういうものの考え方するんだなぁ』とかは、目に見えていたもの・勝手に認識していたマスメディアで作られた印象の裏側が見えたりする楽しさがあるからなのでしょうか。

また、
私が個人的に、本著でツボにはまったのは、娘さんとのやりとりなのですが、常に肩肘張っていない感じの上田さんがそのまま著者になっている感じが『くりーむしちゅー上田さんをテキストにするとこういうことになるんだなぁ』という感じです。

シンプルで分かりやすく、当時の会話を想起させるような文章を書く際の勉強になりそうだなぁと思い、
おもしろかったので1冊選んでおきました。

皆様も箸休め的にいかがでしょうか。
 
 
4冊目:データ立国論 (PHP新書)

  • 著者 :宮田 裕章
  • 出版社:PHP研究所 (2021/3/16)

著者の宮田先生は、データがつながる社会がもたらすこれからの世の中を、

『最大“多様”の最大幸福』

と書いていました。

このフレーズには引き込まれました。

「なんと的を射たフレーズだろう」と。
このフレーズを見ただけで、この書籍の購入金額の何倍もの価値を感じました。

また、著者は、現在をゴールデンスタンダードが無い時代。
と定義しています。

そして、ゴールデンスタンダードが無い時代には、絶対的な正解が無い、または極めて希薄化している社会環境の中では、Betterをかけ合わせて前に進んでいくしかないという表現をしています。

これも非常に的を射た表現だなぁと。

誰かのベストが誰かのワーストにさえなり得る複雑性の高い現代を悲観するのではなく、とてもむずかしい、世界の過渡期を、民主主義を軸に資本主義をアップデートしていくという骨子のもと、とても明瞭にまとめていらっしゃる書籍だと感じました。

現代のような複雑性が高い過渡期とは言え、ある程度、正解らしき論理が集約されつつある現在においては、
著者のみならず、意見の近いことを表現されている方々が増えてきているように思うのですが、著者のバックボーンがあるからこそ、より多くの人に対して「的を射られるだけの説得力」になっていることを強く感じました。

感銘を受けたと言っても良いかもしれません。

ということを共有したく、選書しました。
 

 
5冊目:孤独になると結果が出せる

  • 著者 :茂木健一郎
  • 出版社:廣済堂出版 (2020/3/10)

2021年の上半期の購入リストを振り返ると、本著のみならず「孤独」に関する書籍は何冊か読んでいたようです。

以前より、私は「喧騒の中に身をおきながらの孤独とはとても贅沢なものだ」だという考えを持っているのですが、その辺りの持論を強化・最新化させたくなっていたことから、孤独関連の書籍を数冊手にとった(Kindleで落とした)のだと記憶しています。

著者の茂木さんは、言わずと知れた脳科学者なので、書籍はすべて脳科学的なエッセンスを背骨にして編集がなされています。

また、茂木さんの書籍は、我々のような非専門家の大衆向けに徹底的に読みやすいようにされているので、内容も構成も平易でさーっと読めてしまいます。

本書を読んでいて、
個人的には、『狂気性』と『孤独』というものの関係性について考えるきっかけになりました。

新しいものを生み出す人間には何かしらの狂気性が宿っていることが多いわけですが、

一般的には、

狂気性とは、一握りの中の一摘みの天才。

イーロン・マスクやスティーブジョブス等々を想像する人が多いように思いますが、僕は少し違った見た方をしています。

狂気性は、何かしらの孤独なプロセスを辿っている人間に宿るもの。
そう定義しています。

つまり、創造的で希少性の高い何かを生み出すには、狂気性がキーワードであり、狂気性とは、孤独なプロセスと向き合っていく、過程に生まれるのだと思っています。

孤独なプロセスを経ていると、ついつい、周囲とは温度差が出てしまうので、少し変わっているように見えてしまったりというだけであり、それは孤独なプロセスを本当に歩んだ際に生じる、副産物なのだと思います。

何かを生み出したい強い欲があふれてくると、自然と一人で考えることになり、孤独化していく。
そして、孤独の中で答えを見出そうとする苦悩の中で過ごし、ふと気がつくと周囲の人とは異なった平均体温になっており、その熱が狂気性を帯びた状態になっているのだと思うわけです。

そんなことを考えながら本書を読みました。

ちなみに、孤独と孤立も全く異なるものだと思っています。

孤立は単純に寂しいのですが、孤独はとても贅沢であり人生を充実させる秘策になりえるものだと個人的には整理しています。

情報にあふれる現代社会の中における、『孤独の価値』について、
少しでも興味がある方は、この書籍をきっかけに、少し整理してみるのも良いのではないでしょうか。
 
 
 
6冊目:ペップの狂気 妥協なき理想主義が生むフットボールの究極形

  • 著者 :D.シュルツェ=マルメリンク
  • 出版社:カンゼン (2014/5/28)

5冊目の「孤独」「狂気性」の続きになってしまうかもしれませんが、
現代フットボールの最高指揮官である、ペップ・グラウディオラ(現マンチェスターC監督)の、2014年の時の書籍であり、少し古いものなのですが、ペップという人物の系譜をたどる中で何冊か購入をした際に、手にとった1冊がこの書籍でした。

今回のオリンピックの準決勝で男子サッカーはスペイン代表に負けてしまったわけですが、
このペップ監督は、現役時代は、スペインを代表するクラブチームである、FCバルセロナでキャプテンを務めていた人物です。(ちなみに私はオリンピック準決勝の日本VSスペイン戦のチケットを持っていました、、、無念、、、)

サッカーに全く興味が無い方もいるかと思いますが、
サッカーは競技ルールの特性上、複雑性が異様に高く、戦術のバリュエーションは無数にあり得る、チェスのような世界観があります。
(正確にはチェスとかとも全然違うので、チェスの好きの方、ごめんなさい。)

そんな中、現代サッカーにおける世界のトップオブトップの指導者達は、一昔前のように、現役時代にサッカーがうまかったカリスマ選手などではなくなっています。

徹底的なデータアナライズが持ち込まれ、競技自体が急速に進化し、競争環境は熾烈を極めています。

更に言えば、

世界最先端のデータドリブンな戦術を使いこなせるだけでも、
チームを鼓舞し、エンパワーする力があるモチベーターだけでも、
個人個人の成長を促すことに長けた名指導者という側面だけでも、
チームのオーナー企業との対話にすぐれ経営・財政面への配慮ができるというビジネスパーソンとしての側面だけでも勝てない。

もはや全てを兼ね備えていなければ勝てない超高難度な職業へと変貌を遂げているのです。

本著の主役である、ペップ監督はその群雄割拠のフットボール界のトップの1人というわけです。

そんな彼の中に見えるのは、まさに本書のタイトルにもある「狂気性」です。
そして、狂気性を宿している人間は、狂気性を宿している人間の臭いを嗅ぎ分けて好みます。

5冊目の茂木さんの書籍から言葉を借りるならば、
孤独を経由している人間は孤独と対峙している人間のことが分かる」ということです。

私はここにとても共感をしました。

起業家の世界や、事業家の世界、経営者の世界にも通じるところだと個人的には思います。

それを踏まえて、
どういう考え方に応用できるでしょうか。

例えば、「人脈」という言葉がありますが、
人脈の広げ方も正しくは、人脈は「作る」のではなく「作られる」のだという解釈がしっくりくるわけです。

ニュアンス伝わりますでしょうか?

すみません。寄り道しました。戻りましょう。

本書では、そんなペップ監督が尊敬している監督が何名か挙げられているのですが、その中に「ペップを凌ぐ狂気を帯びた人物」が出てきます。

それは、ビエルサという人であり、サッカー狂と評される人物であり、現在は、ペップ監督のマンチェスターCと同じリーグで別のチームの監督をしている人物です。

ビエルサのサッカー戦術に対する拘りは、たしかに狂気的で、

彼いわく
「スローインは27パターンがある。」
「1本のパスを通すのに32のコミュニケーションパターンがある。」
「試合前には相手チームの分析に600本のビデオを見る。」

といったように、同業の第一線の人たちからしても明らかに異なる景色でサッカーというスポーツを探求しているといった感じでしょうか。

本書の主役であるペップは彼と一度会うと10時間以上ノンストップでサッカーについての議論を戦わせるそうです。

世界中に競技者・ファンがおり、エンターテイメント産業の一角を担う競技であるがゆえに大きなお金も動き、テクノロジーの適用も加速度的に増えている。

そして、常に短い期間で結果を出すことが求められる群雄割拠のサッカー業界において、圧倒的なパフォーマンスを出し続ける人物の生き様・思考回路がとても楽しく、刺激をもらう1冊となりました。

ただ、サッカーそのものにある程度の理解が無い人には読みにくいと思いますので、ここでは「ペップ監督」「ビエルサ監督」の2名の名前をググってもらえるだけでも良いかもしれませんね 笑

あ、あとですね、
PrimeVideoにドキュメンタリがありますので興味が有る方はぜひ。
オール・オア・ナッシング ~マンチェスター・シティの進化
 
 
 
最後に

以上が2021年前半の6冊でした。

世間で一般的に言われる、社会的な重要度でいったら全く別の選書になるでしょう。

そういう選書は有識者の方々にしていただくとして、
ここでは、社会的な重要度などではなく、その時、私自身が面白いと感じたもの。

そして、それはなぜ当時面白いと感じたのか。
その言語化に価値を置いて、書いてみました。

松岡正剛さんと、佐藤優さんの対談書籍である、
読む力』という書籍があります。

その中の一節に、

書籍の中の情報を、どう咀嚼し、自らに備え付けていったのか。その体験と並走させながら、文章(論)を展開してしていくことによる情報の価値』(原文ママではなく意訳)

という内容が論じられていました。

あたかも、以前から知っていたような物知り顔で本に書かれている内容を書くのではなく、または書かれていることを焼き直すように書くのではなく、情報が自分に備え付けられていくプロセスの開示。そういう面白さのジャンルがあるんだよ。ということだと、私は解釈しました。

言われてみれば、確かに、そうだなぁと。
その一節がとても印象に残りました。

そういう意味でも、この読書ログは、
書評ではなく、個人的な読書ログであり、それを通じてSpeeeの経営者である私という人間の一面が感じ取れるものでありたいと思いました。

なんとなく、次回の2021年の後半は例年よりも少なくなるような予感が今からしているのですが、
200冊だろうが、10冊だろうが、冊数は気にしません。

私にとっては、シンプルに仕事が一番楽しいので、仕事最優先の大原則は当然のことながら変わりません。
その大原則の上で、興味の赴くまま、それ以外で時間の許す限りで知的好奇心を満たす読書に時間を割いていきたいと思います。

(便宜上、仕事と趣味を分けていますが、正確には仕事と趣味の読書の境はもはやあまり存在せず、知的好奇心によって接続されているのですが。)

私にとっての読書は、一般的に仕事に適用する生産性や費用対効果だと捉えづらいものなのですが、人生の生き甲斐を向上させる為に趣味として続けていきたいと思っています。

そして、それが日常の仕事、経営の要所で、私を支援してくれるものになるという体験が私の中にはたくさんあります。

読書家の経営術』とでもいうべきこの辺りの関係性や過去の自分の体験などは、機会があればいずれ整理をして、書いてみたいと思います。

では、また次回のブログでお会いしましょう。

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