はじめに
今回は、前回の読書ログ2019年1-6月で予告していた、当社が独自開発したSpeeeLibraryについて書いてみようかと思います。
SpeeeLibraryとは、いわゆる従業員向け社内図書館です。
当社独自の福利厚生として、2010年10月より運用がスタートし、創業3期目から現在まで10年もの間、運用し社員に親しまれてきました。
現在は、当社オフィスSpeeeLoungeの壁一面に、ビジネス書・啓発本・技術書・デザイン関連など、様々なジャンルの書籍を約 3,000 冊ほど所蔵。
書籍は、従業員がログインできる Webシステムで管理・運用されており、書籍の検索・貸出の予約・延長・レビューの投稿などが可能になっています。
この制度を作った背景や、システムの裏話など、以下の順番で軽くまとめていこうかと思います。
- なぜ作ったのか?
- どう使われているのか?
- 今後どうしていくのか?
①なぜ作ったのか?
思いつくものを箇条書きで書いてみます。
- 書籍を通じて、少ない実体験にレバレッジをかけて、多くの学びへと転換してきた経験が当社の経営チームにあった。
- 創業期にも、よく週末に集まっては、ジャック・ウェルチの書籍や、プロフェッショナルマネージャー、バフェット、ドラッガーなどの王道どころを読んでは、あーだこーだ話をしていた。
- 私自身も子供の時からそうやってやってきた。
- その体験を自分たちの仲間やチームにもして欲しい。
- そう考えて、書籍購入毎月1万円まで会社負担OKという制度を設立間もないときからスタート。
- ただその制度があるだけでは、果たして、当初の狙い通り自分たちが体験をしたものと同じものを提供できるだろうか?
- そう考えた結果、少しでもその体験をアシストしたいという気持ちから生まれたのがSpeeeLibraryというシステムである。
こんな感じの経緯でした。
②どう使われているのか?
では、どう使われているのかも簡単に箇条書きで。
- とにかく具体的な仕様や、このシステムがもたらすパフォーマンスはこのブログを読んでいただくのが良いだろう。
- この記事を執筆しているのは当社のエンジニアなのだが、かなり熱い想いをもって、SpeeeLibraryを我が子のように育ててくれている立役者である。(彼はMarkdownでスライドが作成できるツール、Marpでも有名ですね)
- 例えば、貸出回数を切り取ってみても、2018年は4934回。人によって利用頻度の差はあると思うが、単純に従業員数から計算しても一人10回以上借りているといえる。
- さらに2019年の上半期の貸出回数は3273回。年々利用回数が増加しているこのパフォーマンスは、10年も運用している中で中々素晴らしいシステムであると思う。
- ここでは、彼のブログには書かれていない番外編を少しだけ書いておこうと思う。
- 当社の技術顧問である、Matzや、井原氏の支援を経てRubyの会社へと変貌していく中、私自身もRubyでなにかプロダクトを作ってみようと思うに至った。
- ただ単にRubyを学ぶだけでは面白みがない。
- 学習と実益が伴ってこそ、情熱が湧き出てくるというものだ。
- そう考えている中で、「あ、確かSpeeeLibraryがPHPベースで作られてるから、あれをRubyに置き換えることを目標にやってみるかな」という考えに至った。
- そこからはRubyのコーチをつけて、平日毎朝約45分。オンライン上で、先生に教わる。
- 時には、週末を使って更に多くの時間を学習とコーディングに割いた。
- やはり、細かい仕様から考えていると、たくさんの改善点が思い浮かぶもので、もっと利用してもらう為にはこうしたほうが良い。購入の申請が大変・・・。
- 等々、実装したいアイディアが次々と浮かんでくる。
- Ruby。そして、Ruby on Railsの世界にすっかり感動していく中で、四苦八苦しながら、この生活を半年以上続けていった。
- そこで、新しい機能の仕様を仕様書にまとめ、コーディングは全然終わりきらなかったのだが、ソースコードと共にそのままバトンタッチをさせてもらったという経緯があった。
- まぁ、結果的には、私の思想は受け継がれながらも、コーディングしたものは見事に、全て消え去っていたのだが、そこはプロとの力の差をまざまざと見せつけられるという貴重な学習体験までさせてもらった。
- 忖度の無い自慢の会社だ 笑
- ちなみにその期間にコーチしてもらった社外のエンジニアの方々は本当に素晴らしい人達で、とても感謝している。(名前の開示は控えるが皆さん他社でバリバリ活躍している)
- これが今のSpeeeLibraryのちょっとした番外編である。
ともあれ、SpeeeLibraryは、こうやってアップデートを経ながら年間300名以上の従業員に使われている。
そうやって、Speeeカルチャーの1つである『知的好奇心の探求』の象徴的なものであり、Speee自体を代表する施策の1つになっている。
こんな感じです。
③今後どうしていくのか?
実は広げていきたい世界観があるのです。
- しばらく、リードエンジニアである、彼とはLibraryについて話せていないのだが、社内向けだけでもまだまだ修正点はあるし、もっと、学習効率が進む機能を載せていきたいと思っている。
- と同時に、Speee内に留めるだけではなく、他社の方々の読書履歴も、匿名ではなく、記名で公開できる、ビジネスマン向けの読書SNSになるような方向性で業界に貢献できると嬉しいなぁ〜と目論んでいる。
- 単純なオンラインサービスではなく、自社に数百冊レベルの規模で書籍を保有している企業様も多いと思う。
- そのような企業様には当社の貸出管理のシステムを提供することで、その管理もスムーズにさせてあげたい。
- 本の貸出システムは思いの他奥が深く、書籍の配列や返却方法など緻密な設計が必要である。
- そのシステムの裏側にある事象として、書籍購入施策にお金を出す経営陣や、本を読む側の人は、単純に「良いじゃん」って感じなのだが、この貸出をちゃんとやる担当にさせられるバックオフィスの方々は非常にフラストレーションが貯まる・・・・。とにかく地味ながらも非常に手間なのだ。
- その部分も少しでもスリム化させてあげられると嬉しい。
ということで、一緒に組んでくれる方(企業様)いらっしゃいましたら当社にお声がけ下さいませ。
良いプロダクトに磨き上げれたら、一緒に広げていきましょう。