前回から続き、
8つのテーマに分けて
大塚自身のパーソナルな紹介をさせて頂いております。
第2回は
「起業のきっかけは?」
について書こうと思います。
採用の場面等では、
何がきっかけで
・起業をしようと思ったのか?
・経営者になりたいと思ったのか?
という趣旨で
質問をしていただくのだと思っています。
結論から言うと、
明確なきっかけというのがないタイプの経営者です。
採用場面等で「きっかけは?」と聞かれると
正直、いつも困ってしまいます・・・。
なぜかと言うと、
説明をちゃんとしようとすると話が長くなってしまうからです。
■高校時代に遡る
思い返すと、高校の頃に遡ります。
高校入学後、
以前より薄々気づいていた
自分のサッカーに対する才能の無さが
強豪校に入った事によって確信に変わりました。
そこで、
自分の興味の対象を「サッカー」から
もともと関心度の高かった「ビジネス」の領域にシフトさせることを
決断しました。
今振り返ると、
これが、初めて自分で下した大きな判断だったような気がします。
1年間1度も休んだことがなかった部活を退部したのが、
高校2年生になる頃でした。
最初は、
自宅にある、パッと見、興味がありそうな書籍を
読み漁っていました。
1冊読むと、2~3冊くらいに派生して書籍を読みたくなり、
そのくらい読むと1ジャンルについて、
一丁前のことが言えるようになる実感を掴みはじめ、
次々と新しい書籍に手を出しました。
東洋経済、THE21、PRESIDENTには、
定期的に著名なビジネスマンのおすすめ書籍が出るので、
そのようなテーマの号が出ると、
そのリストを携帯で写メしてから、
本屋か図書館に通っていました。
お目当ての書籍名を、本屋に置いてある検索機に入力し
そこから出てきた紙を10枚くらい持って、本屋をうろつく…
ということばかりしていました。
余談ですが、
初めて自分で買ったTHE21に、
元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞さんの記事が
特集として掲載されていました。
そこには、
月に100冊は購入する
住所を伝えなくてもAmazonから届く
書籍をトンで数える
収入の半分は書籍に投資する…
等のエピソードと併せて、
立花隆さんもビックリの多くの本棚が写っていました。
「本当に本を読む人というのは、このくらいの人を言うのか」
という一つの基準をあの当時知ることができたのは大きな出来事でした。
父親から
「本だったらいくらでも買って良い」と
クレジットカードを渡されていたので、
お小遣いをあまり気にせずに、
興味の赴くままに書籍を買うことができました。
振り返ると本当にありがたいです。
大感謝です。
■株取引を学ぶ
本格的にビジネスの勉強に没頭したいと思うと、
座学だけでは物足りなくなるもので、
自分もリスクを追いながら何かできないものかと考え、
株を始めることにしました。
当時の私の年齢が16歳でしたので、
その年齢では口座開設ができず、
父親に頼んで証券会社の口座を開設してもらい、
株の取引を始めました。
確か、元手はお年玉4万円くらいからだったと記憶しています。
当時は、モーニングスターをよく見ていました。
その当時は、
自分が独自で探した「隠れ優良サイト」だと思っていたのですが、
大人になってみると、
あれはSBIさんが運営されていた超有名なサイトだと知り、
1人で恥ずかしい気持ちになりました。
当時はまだ、
デイトレードという言葉も使われ始めたばかりの頃で、
携帯電話で株価は見れるものの、
売買等ができる環境ではありませんでした。
なので、
休み時間に数回程度ですが、
証券会社の担当者の方に電話をして売買していました。
今改めて考えると、
おそらく父親がその担当者の方と懇意にしていたこともあって、
何も知らない若造の私が電話をかけても、
無碍に扱うことなく丁寧に対応してくれていたのだと思います。
今でも自分の携帯メモリには、その方の電話番号が入っています。
さて、
株取引から学んだ事は、いくつかあります。
・1つ目は、
書籍に書かれている事は、鵜呑みにしてはいけないということ。
1冊のハウツー本を信じるのではなく
1つのジャンルを学ぶ時には2~3冊は読むと良いということ。
・2つ目は、
元手が大事だということ。
・3つ目は、
テクニカルなチャート分析なるものは自分には合わないということ。
・4つ目は、
「複利」という概念を知ることができたこと。
複利の概念は、
色々な事に当てはまると思っています。
多少、右往左往しながらも、
自分の人生における“本丸”のテーマに対しては、
継続して投資し続けることによって価値が増大するというこのメカニズムは
何か大きな判断をする時にいつも大事にしています。
■独自にまとめる
そんな高校生活を過ごし、
私は、知識が増えること自体の喜びと、
知識が増えれば増えるほど、
読める書籍の量と読み取れる情報の質が上がる感覚に
すっかりハマっていきました。
しまいには、
成毛眞さんの本棚とか、
孫正義さんの社長室の写真とか、
カルロス・ゴーンさんのリバイバルプランをプレゼンしている姿の写真が書籍の中に出てくると
切り抜いてスクラップしたりだとか、
書籍の中に出てくる名経営者達の言葉の中で
お気に入りのものを自分でWordで打ちなおして印刷し
ファイリングしたりしていました。
そして、更にマニアックな世界に進み、
書籍の中味だけでなく、
名著の表紙にある経営者や教授等の帯コメントにも注目をしていました。
例えば、
今でも覚えているのが、
ワタミの渡辺美樹さんが
『ブルーオーシャン戦略』の書籍の帯に、
「経営とは誰かのマネをするのではなく、ただ自らの想いを形にする作業だ」
と書かれていたのを見て、
「書籍の中でなくとも、帯にも経営者の方の色が出るなぁ~」
ということに気づき、
そのような言葉を携帯にメモしておいたり…
また、ビジネス書はどの書籍も
基本的には、
成長している会社、事業、経営者ばかりフォーカスするので、
「そもそも成長企業の定義って何だろう?」
と思うようになり、
「売上」「利益」「社員数」等にも興味が沸き、
ネットの記事や書籍に書いてある数字を
Excelにまとめたりもしていました。
まとめていると大体の水準が見えてきて、
「では、どうすればこのような数字が生み出せる事業が作れるのだろうか?」
という順番で興味を持っていったと記憶しています。
おそらく、
当時まとめていたコレクションの一部は今でも実家に残っていると思います。
ただ、正直、
自分でもあまりにオタクすぎて気持ち悪いので、
振り返るのが怖いです・・・。
やはり懸念をしていたように文章が長過ぎました・・・
この辺りで、いい加減、話を終わりにしたいと思います。
■まとめ
漠然と経営者になるんだと思っていた
小・中学生の頃とは違い、
高校時代の後半では、
「では、自分はどういう企業を創りたいのか?」
「どういう経営者になりたいのか?」
について、答えを探し続けていたように思います。
なので、私にとっては明確に起業のきっかけというのはなく、
①環境によって、ビジネス・経営・経営者というテーマになんとなく興味を持ち始めた。
②興味を持ってから、深く探求して、奥の深さに知的好奇心が掻き立てられた。
③経営者になろうと思ったのは、知的好奇心の赴くまま。
「価値提供の可能性で言うと科学者の方が圧倒的に上ではないか?」
「そもそも経営者になることが世の中に価値があるのか?」と悩んだりもした。
④自分にとって大事なのは、
「起業することでも、経営者になることでもなく、
どういう経営者になって、何を提供するのか」であるという所に行き着いた。
という感じで、
明確にきっかけとなる一時的な出来事があったわけではありません。
・・・結局、
冒頭に書いた結論のままの内容でございました。
次回は、
「経営をしていて苦労や後悔はあるか?」
について書きたいと思います。